結婚システム紹介


今作の同性婚システムおよび同性愛描写にはいくつか首をひねらざるを得ない問題点が存在しますが、その前に今作におよびファイアーエムブレムシリーズにおける結婚システムを詳しく解説しておきます。


これを理解しないと何がおかしいのかわかりにくいので、気になった方はどうぞ。

シリーズに慣れている方や、今作をプレイした方は特に読む必要はありません。過去作とほぼ変わりませんので。

では、どうぞ。


※初の結婚システム導入作品、ファイアーエムブレム聖戦の系譜。スーパーファミコンの時代の作品で、もう二十年くらい前のものになります


ファイアーエムブレムはストーリーとしては全作品が戦記物に当たります。

 

主人公は一回の戦いで全てを決するわけではなく、細かい局地戦を重ね転戦を繰り返すことで、最終的に戦を講和に持ち込むことで世界に平和をもたらす、というストーリーが基本軸になります。

 

戦争の長さの長短が詳しく説明されることはありませんが、当然に一ヶ月や二ヶ月の物語ではなく、場合によっては何年もの間、主人公とそれが率いる軍勢は各地を放浪することになるのですね。

(身重の女性も戦闘に参加しているんだろうか……)


その間、キャラクターたちは恋愛したり結婚したり、場合によっては子供も生まれ、そして子供も成長して親と共に陣営に参加する……といった部分をストーリー面からだけでなく、システム面からも表現したものが過去作『聖戦の系譜』より導入された結婚システムになります。

 

もう、二十年くらい前の作品ですが、私は今でも聖戦の系譜が一番好きなシリーズです(同性婚さえ出来れば……と、枕を濡らしたけど)。


※聖戦の系譜で登場したキャラが誰に好意を持っているかを占ってくれる爺さん。余談だけど、キャラの目から見たらわかりきったことだよね(苦笑)

キャラが結婚するまでの流れ

基本的には過去作も今作も、キャラクターが結婚に至るまでの道のりはあまり大差がありません。

キャラクターそれぞれに、特定のキャラに対する好感度のようなものが設定されており、それが最大値に達することで「恋愛感情成立=結婚」という流れになります(恋愛感情の成立と結婚がほぼ同義なのは多分、作中世界の文化なんだと思います)。


好感度を上昇させるには戦闘パートにおいて、


・一緒に行動させる(隣り合った状態でターンを終える)。

・対象への支援行動を行う(回復魔法で回復したり、支援コマンドを行うなど)。

・会話イベントを発生させる。


といった手段があり、さらに今作では戦闘パートの合間にある拠点パートにおいて主人公のみが、自室に他のキャラを招待することで仲良くなる機会を増やせます(「内容紹介」の「触れ合い」参照)。


(独身状態の)全てのキャラクターが他のキャラクターと結婚する可能性を秘めており「主人公と仲間キャラ」のみでなく「仲間キャラと仲間キャラ」というカップルが成立することもあります(というか、仲間キャラの方が多いのだから、当然に仲間同士のカップルの方が多数派です)。

ですので大体の作品で最終ステージに到達するころには自然と、職場内結婚カップルだらけになります。


特定のキャラクターとしか婚姻できないキャラというのはほとんどいません。

登場時からすでに婚姻している。ゲスト的に仲間になるものの、すぐに離脱する。ストーリー上、特定キャラとの婚姻が決まっている。などの条件で、シリーズ上は一部いますが、今作にはいないようです。


基本的にはどんな組み合わせでもカップルは成立します。

ただし過去作においては『異性婚のみ』です(※「同性婚システム、同性愛描写の問題点」で解説しますが、今作も同性婚にはもろもろの制限がつきますが)。


あと、仲間キャラと敵キャラ、といった組み合わせや、仲間キャラが道中寄った村の娘や青年(つまりモブキャラ)と恋に落ちて婚姻する、といったことは起こりません。好感度システム上、仲間同士でなければ婚姻しようがない仕様です。


(中国の放浪軍とか見てると、どっちかというと駐留した現地で家庭を持っちゃって居ついちゃうような奴の方が多い気がするけど、そういうのはまあ、えぐ過ぎるのかもしれませんね)


結婚システムはそれだけ聞くと、メインパートであるはずの戦闘パートには何の意味も無い仕様に聞こえますが、そんなことはありません。


むしろ、初期設定で選べる難易度によっては「結婚(及び子作り)しないとクリアできない」と言っても過言ではないくらいに重要な意味を持ちます(多分、出来なくは無いけど、難易度は跳ね上がります)。


キャラクター同士は結婚することで、互いが近くにいると敵に対して有利になる支援効果を発揮します。たとえば、隣り合っていることで敵の攻撃を回避する確率や受けるダメージ、またはこちらの攻撃命中率や与えるダメージ量に優位な補正がついたりします。


また、キャラが固有に持っている戦闘を有利に進めるためのスキル(X%の確率で二回攻撃する、X%の確率で敵の命中率に関わらず攻撃を確実に回避する、などの特殊な能力)の発動確立が上昇するなど、戦闘に置いて圧倒的に有利になる仕様です。


多くの作品で、この特別な支援効果は、家族関係にあるキャラクターが隣り合うと発生します。すなわち、婚姻したもの同士、兄弟姉妹や親子関係にある場合です(時々、親友という設定のキャラクターもいて、同じような支援効果を発揮するようです)。


今作は兄弟姉妹や親子関係においても好感度を上昇させなければ支援効果は発揮されなくなりましたが、とりあえずこの支援効果は戦闘パートにおいて非常に強力な力を発揮し、高難易度においては支援効果を計算に入れなければクリアは難しいと言われます。


結婚システムに付随する形で、子作りシステムが存在します。


結婚したキャラ同士の能力の特性やスキルを引き継いで、新しいキャラ(子供)が仲間に加わる、というシステムです。


高難易度では各キャラクターの能力を計算して、優生学的に子供の才能を操作しなければクリアは難しいです(汗)。


スキルの組み合わせや子供の職業によっては、全く活かされない能力なども出てきてしまうために、カップリングに非常に慎重なプレイヤーも多く存在します。

(例えば、物理的な攻撃しか出来ない戦士タイプの子供なのに、親が魔法使いだったりして、魔力が高くなって生まれてきたりしても、その能力は役に立たないわけですね)


今作では職業をある程度自由選択できるようになっているおかげで「子作りに失敗する」という現象は起こりにくくなっていますが(すごい表現だ。汗)、子供世代の存在は攻略においては非常に重要な要素になります。これはもうシリーズの伝統のようになっているようです。


子供世代は両親の才能を多く受け継ぐので同じレベルになれば両親よりも強いことが多いし、スキルも両親双方のものをある程度引き継ぐし、両親のどちらとも強い支援効果を発揮します。


ちなみに過去作は子供世代は両親世代の死後(もしくは離脱後)登場したりする場合がありましたが、今作においては『時空の流れが異なる異世界で、お世話係にお任せする形で育てた』という設定になっており、ウラシマ効果のようなものが発生したおかげで子供の年齢と両親の年齢に大した違いが無い状態で陣営に参戦してきます。


その設定のおかげで、両親と子供を三人で戦場に出せます。


ちなみに、このゲームはシリーズを通して、血統に非常に重きを置くストーリーを組んでいるので(過去に地上に舞い降りて人と交わった神様の血筋……みたいな血統にあたる人がおおむね主人公や世界を支配している王族の地位についています)、伝説の血筋に当たる人は特殊な能力を使えることが多いです。


やたら強い伝説の武具を使えたり、今作ならば地形を変動させる不思議な力が使えたり、といった要素ですが、これもキャラクターの組み合わせを上手いこといじって子供を作らせることで遺伝させることが出来るようになっています。


ちょっとだけ「ここまで血統主義的で、ここまで血統に力のある世界なら、自由恋愛はやめた方がいいんじゃないか……政略結婚でもまだレベル低いよ、血統維持のための結婚が必要なレベルだよ」とか思っちゃいますね(苦笑)。


その割に「後天的に獲得した要素(修行して身につけたと思われる技術や能力)が子供にそのまま遺伝する」というルイセンコの進化論的なところもあったりして、このゲーム世界の遺伝学は良くわからないことになっていますが。


いや、それはまた別なお話なので、批判も肯定もしませんけれど、ちょっと怖いですね(笑)。


今作における結婚システムを要点だけまとめて解説すると、


・戦闘パートや拠点パートにおいて好感度を上げていくと結婚できる。

・異性婚ならば全てのキャラクターが同世代の全ての異性と婚姻できる。

・親世代間の異性間の婚姻によって子供が生まれる(必ず生まれる)。子供世代と親世代は共闘可能。

・親世代と子供世代間の婚姻は出来ない(おそらく、孫世代が生まれるとさまざまなイベントやパラメータの管理が複雑になりすぎるためと思われる)。

・結婚システムは攻略に非常に重要な要素になる。


といったところでしょうか。

この中に、同性婚システムも組み込まれているわけですが、そこにはさまざまな扱いの差異があります。それは次項、「同性婚システム・同性愛描写の問題点」において解説いたします。